はじめに
「小1の息子が話を聞かない」「調子に乗りすぎて毎日うるさい」「注意しても響かない」
こんな悩みを持つ親御さんは多いと思います。
もしかするとそれは、脳の発達の途中で当たり前の行動かもしれません。
本記事では、脳の仕組みや成長過程を踏まえつつ、親ができる対応やストレス対処法をまとめます。
子どもが話を聞かないのは、脳の発達の問題?
前頭前野とは
「話を聞く」「がまんする」「感情をコントロールする」
これらをつかさどるのが脳の“司令塔”とも言われる**前頭前野(ぜんとうぜんや)**です。
この部分は、おでこの裏あたりに位置し、感情や行動のブレーキ役を果たします。
前頭前野の成熟には時間がかかり、20代まで発達が続くとされているため、小学1年生では未発達です。
小1男子は衝動のかたまり!?
つまり、「話を聞かない」「うるさい」「落ち着きがない」などの行動は、
未発達な脳による自然な行動とも言えるのです。
とはいえ、毎日接する親としては余裕を失ってしまうこともありますよね。
宿題をやらない…そんな行動にも理由がある
多くの親が不安を感じるのが「宿題をやらない」こと。
「勉強が嫌いになるのでは?」「自分からやろうとしないのでは?」と心配になります。
でも実はこれも、前頭前野がまだ十分働いていないために、集中・切り替え・計画といった力が未成熟な証拠です。
宿題を後回しにする
→ 今楽しいことを優先してしまう
→ 注意されて反発する
という流れも、子どもにとっては“自然な反応”だったりします。
話を聞く習慣を育てるには?
子どもをコントロールするのではなく、「聞きたい状態」をつくる
- アイコンタクトをしてから話す
→ 呼びかけても返事がないときは、目線を合わせるところから。 - 短く伝える・選択肢を与える
→「今宿題する?それともごはんのあと?」など、自分で選ばせる工夫を。 - できたときにしっかり認める
→「今、ちゃんと聞けたね!」という具体的な声かけで、行動が強化されます。
親がイライラする理由を見つめてみる
実は、「子どもに○○してほしいのにできていない」という期待とのギャップが、怒りのもとになっていることが多いです。
例)
- 「何度も言ってるのにできない」
- 「わざとやってるとしか思えない」
- 「他の子はできてるのに…」
この“べき”が積もると、イライラは爆発します。
ストレスをためないためにできること
1. 一度、距離をとる
子どもと物理的に距離を取って、ひと呼吸置くだけで違います。
トイレにこもって深呼吸、洗濯物を干しながら空を見上げる、それだけでも脳が落ち着きます。
2. 頭の中での実況中継
イライラしてきたとき、自分の感情を**言葉で実況するように“つぶやく”**ことで、怒りのピークが下がります。
例:
- 「あー、今すごく声を荒げたくなってる」
- 「私は“またこれか”って思ってる」
- 「なんで言ってもできないの?って感じてるな」
これは脳の前頭前野を活性化させ、怒りを客観的に見られるようにする習慣です。
感情を“言語化”することで、気持ちが整理されていきます。
3. 子どもの行動を「実況」して気持ちを言語化する
子どもが大声を出したり、ふざけたりしているときは
「今すごくテンション上がってるね」
「楽しくなりすぎちゃってるんだね」などと、状態を言葉でラベリングしてあげると落ち着きやすくなります。
おわりに:発達を知ると、心が少し軽くなる
「話を聞かない」「うるさい」「宿題をやらない」
そんな子どもの行動に、毎日振り回されて疲れているお父さんお母さんへ。
その行動の裏側には、未発達な前頭前野と、その子なりの成長の途中があるのかもしれません。
一度深呼吸して、「今はそういう時期」と捉えなおすだけで、心に少し余裕が生まれます。
そして、あなたのその余裕が、子どもの前頭前野の成長を支えるのです。
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