子どもに伝えたい「仕事の大切さ」と「お金の違い」

育児

子どもが成長する中で、「あの仕事はえらい」「この仕事はすごくない」といったイメージを持つ場面があります。
また、「どうしてこの仕事の人はたくさんお金をもらえるの?」「なんであの人はお金が少ないの?」といった疑問を持つことも少なくありません。

私たち大人が、仕事の優劣や所得の違いについてどのように伝えるかは、子どもの価値観形成に大きな影響を与えます。
この記事では、「仕事に優劣はない」という考え方と、「所得の違いが生まれる仕組み」について、子どもにどう説明すればよいかを解説します。


仕事に優劣はないという考え方を伝えるには?

すべての仕事は社会を支える役割がある

社会の中には、数えきれないほどたくさんの仕事があります。
医師や弁護士のような専門的な職業だけでなく、ごみ収集、清掃、レジ打ち、建設、保育など、すべての仕事が人々の生活を支えています。

たとえば、ごみを回収してくれる人がいなければ、私たちの街はすぐに汚れ、健康にも悪影響を及ぼします。
保育士さんがいなければ、働く親たちは安心して仕事に行けません。
「目立つ仕事」ではなくても、誰かの生活を支えている点では、すべての仕事が等しく尊いのです。

「お金が少ない=価値が低い」ではないと伝える

子どもはどうしても「お金が多い=すごい」「お金が少ない=すごくない」と捉えてしまいがちです。
そのため、「仕事の価値」と「所得」は別のものだと教えることが重要です。

どんな仕事も必要で、誰かの役に立っている。
お金の多さは、その人がしている仕事の“価値”を表しているのではなく、“仕組み”の問題であることを丁寧に伝えていきましょう。


所得に違いが生まれる理由を子ども向けに説明する方法

所得の違いは「社会の仕組み」で決まる

所得は、「どれだけその仕事が必要か」「どれだけの人に影響を与えるか」「どんな責任があるか」などの条件によって決まります。
また、資格や専門知識が必要な仕事、リスクの高い仕事などは、一般的に報酬が高く設定される傾向にあります。

たとえば、有名なゲームクリエイターが1つのゲームを作ると、世界中の人が遊んでお金を払います。
影響力が大きいため、得られる収入も大きくなるのです。

一方で、地域のごみ収集をする人は、限られた地域の中で仕事をしており、影響の範囲も収入も限定的になる傾向があります。
しかし、どちらの仕事も社会には欠かせないという点では同じです。

親子の会話で具体的に伝える

以下は、家庭での会話例です。


👧「なんでお金がたくさんもらえる仕事と、少ししかもらえない仕事があるの?」
👨「いい質問だね。お金の多さは、その仕事の“大変さ”とか“えらさ”で決まるんじゃなくて、“どれだけの人に役に立ってるか”とか、“どんな仕組みの中で働いてるか”によって決まるんだよ」

👧「えらくない仕事ってあるの?」
👨「ないよ。どの仕事も必要。たとえば、スーパーのレジの人がいなかったら買い物できないし、掃除の人がいなかったらみんな困るでしょ?」

👧「ふーん…じゃあ、お金の多い仕事を選んだほうがいいの?」
👨「お金も大事だけど、自分がどんなことをしたいか、どんなふうに人の役に立ちたいかを考えることがもっと大事だよ」


子どもに伝えたい3つのポイント

1. どの仕事も人の役に立っている

表に出るか出ないか、収入が多いか少ないかに関係なく、すべての仕事には価値があります。
子どもが日常生活の中で見かけるいろいろな職業に目を向け、「この仕事をしている人がいるから助かっているね」と声をかけることで、自然と敬意を持つ気持ちが育ちます。

2. お金は価値の指標ではない

お金は生活するために大事なものですが、人の価値や仕事のすごさを決めるものではありません。
お金がたくさんもらえる仕事でも、その人が幸せとは限りませんし、少ない収入でもやりがいや誇りを持って働く人もたくさんいます。

3. 自分に合った働き方を見つけよう

子どもには、将来お金だけで仕事を選ぶのではなく、自分に合ったやり方や、人の役に立てる喜びを感じられる仕事を見つけてほしいものです。
「人の役に立つってうれしいね」「ありがとうって言われるとがんばれるね」といった言葉を日ごろからかけていくことで、その気持ちが育ちます。


おわりに

「どの仕事も尊いけれど、収入には違いがある」というテーマは、子どもには少し難しい内容かもしれません。
しかし、家庭で少しずつ繰り返し話していくことで、他人を見下さず、感謝の気持ちを持ち、自分の将来を前向きに考えられるようになります。

仕事やお金についての価値観は、学校ではなかなか教えてくれません。
だからこそ、家庭での何気ない会話の中で、子どもと一緒に学んでいきたいですね。

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