アドラー心理学から学ぶ、子どもへの言葉がけで気をつけたい5つのポイント

子どもとの日常のやりとりの中で、
「つい強く言ってしまった…」
「どう伝えたら分かってくれるんだろう…」
そんな悩みを抱えていませんか?

子どもへの声かけは、ちょっとした工夫で「やる気」や「自信」を育てる力になります。
今回は、アドラー心理学の視点から、「子どもへの言葉がけで気をつけたいポイント」をご紹介します。


アドラー心理学とは?なぜ子育てに役立つの?

アドラー心理学とは、オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラーが提唱した「個人心理学」のこと。
この心理学の大きな特徴は、「人は変われる」「人は自分の意思で行動を選んでいる」という前向きな考え方にあります。

子育てにおいては、以下のような考え方がベースになります。

  • 子どもを尊重し、対等な関係で関わる
  • 問題行動の背景には「勇気のくじけ」がある
  • ほめるよりも「勇気づけ」を大切にする

子どもへの言葉がけで気をつけたい5つのポイント

1. 「評価」より「共感・観察」を

よかれと思って「えらいね!」「すごい!」と声をかけること、ありますよね。
けれどアドラー心理学では、こうした“上からの評価”は、子どもを大人の価値基準に依存させる危険があると考えます。

✅よい例:

  • 「集中して取り組んでたね」
  • 「自分で考えてたの、気づいたよ」

→ 子どもの行動を“そのまま見て伝える”だけで、自分の価値を実感できます。


2. 「命令・指示」より「選択肢を与える」

「早く!」「片づけなさい!」と指示することで一時的に動いても、それは“やらされ感”につながります。

アドラー心理学では、子どもが**「自分で決めた」と感じられること**が、内側からのやる気(自発性)を引き出すと考えます。

✅よい例:

  • 「今片づける?それとも5分後にしようか?」
  • 「このあと宿題とお風呂、どっちからにする?」

→ 選択肢を与えることで、自己決定の感覚が育ちます。


3. 「結果」ではなく「プロセス」に注目する

「100点取ってすごいね!」ではなく、そこに至るまでの努力や工夫に目を向けてみましょう。

✅よい例:

  • 「こつこつ練習してたね」
  • 「間違えたところを自分で直してたの、見てたよ」

→ 努力や姿勢が認められることで、子どもは失敗を恐れず挑戦できるようになります。


4. 「ダメ出し」より「信じて任せる」

子どもが失敗したとき、つい「だから言ったでしょ!」「ちゃんとしなさい!」と叱ってしまうこと、ありますよね。

でもアドラー心理学では、**「子どもは自分で解決する力を持っている」**という前提で関わります。

✅よい例:

  • 「次はどうすれば忘れずにできそう?」
  • 「困ったね。何か工夫してみる?」

→ 責めるのではなく、解決を一緒に考える姿勢が「信頼されている」と感じさせます。


5. 「支配」ではなく「協力」を意識する

「あなたのために言ってるのよ!」は、実は子どもを“支配”してしまっている言葉かもしれません。

アドラー心理学では、親と子を上下ではなく**“横の関係(対等)”**として捉えます。

✅よい例:

  • 「お母さんも困ってるんだけど、どうしたらいいかな?」
  • 「一緒に考えてくれる?」

→ 子どもを“親の言うことをきく存在”ではなく、“家庭の一員”として尊重する関わり方です。


子どもを勇気づける言葉がけの実例

シーン一般的な声かけアドラー的な声かけ
宿題をしない「早くやりなさい」「いつやるか、自分で決められるかな?」
食べるのが遅い「いつまで食べてるの!」「あと何分くらいで食べ終わりそう?」
忘れ物をした「また忘れたの?」「どうすれば次に忘れないと思う?」
お手伝い後「えらいね」「助かったよ、ありがとう」

アドラー心理学で育つ、子どもの力

アドラー心理学をベースにした声かけを実践すると、子どもは次のような力を育てていきます。

  • 自分で決める力(自己決定感)
  • 挑戦する勇気(失敗を恐れない)
  • 他者と協力する力(共同体感覚)
  • 自分を信じる気持ち(自己肯定感)

これらは、成績やマナーの良さ以上に、人生を力強く生きるための土台になります。


まとめ:言葉ひとつで、子どもは変わる

子どもとの関わりに悩んだとき、アドラー心理学はヒントの宝庫です。
「ちゃんとさせなきゃ」ではなく、「自分で育つ力を信じよう」という視点を持つだけで、親もずいぶん楽になります。

子どもを変えようとするのではなく、自分の言葉と姿勢を整えることで、子どもは自然に変わっていきます。
今日からできる、優しくて力強い言葉がけ。あなたも始めてみませんか?

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